猫の会陰尿道造瘻術 筒状包皮粘膜縫合法 2025.09.08

尿が出ないという主訴で来院された10歳の男の子のスコティッシュフォールドのこてつちゃん。

オス猫さんは尿道の先が細く、よく詰まっておしっこが出なくなることが多いです。
その状態を「尿道閉塞」というのですが、今回の症例は尿道閉塞を何度も繰り返し、
結果、尿道閉塞の解除が困難となりました。

尿道の先端が細くなり閉塞を繰り返すので、尿道の細くなってる部位を除去して尿道の太い部分と
包皮粘膜を縫合して尿の通り道を広くする手術
(会陰尿道造瘻術 筒状包皮粘膜縫合法)を実施しました。

手術では伏せのの状態(伏臥位)で尻尾は頭側に引っ張り、肛門から便が出ないように肛門巾着縫合をし、
術部を毛刈り消毒します。

毛刈り消毒後、去勢を行います。去勢手術

摘出精巣

去勢後、陰嚢部分の皮膚切除

皮膚切除後、陰茎を確認。陰茎と包皮の分離

あらかじめ設置していた尿道カテーテルで陰茎を確認しながら陰茎を包皮から引き抜く。陰茎の分離が出来たら陰茎を周囲の組織から分離し、陰茎の根元の坐骨海綿体筋を切除。

陰茎をフリーにしたら尿道が太くなる部分を見越して陰茎を切除。

切除後、切断面と包皮粘膜確認。

陰茎の切断部位と包皮粘膜を縫合。(写真の点線部分)

縫合部分からの漏れがないかのリークテスト後、皮膚縫合を行い手術終了とする。

その後、尿道カテーテルを数日付けて入院、排尿確認後、退院となりました。

術後2週間後の状態です。排尿は問題なく尿の漏出もなかったので抜糸しました。

術後5週間後ではしっかり毛が生えてきれいになってくれました。

尿が出ないことはかなりのストレスになりますし、長期で尿が出ないと命にかかわります。
尿道閉塞を繰り返すねこちゃんで内科治療でどうしようもなくなったら、
今回みたいに外科治療で対処するしかありません。

もし、同じような症状が出た場合はいつでも当院にご連絡ください。

こてつちゃんが元気になってくれて本当に良かったです。