猫の肛門腺破裂 2023.10.21

お尻を気にするという主訴で来院されました。猫さんのまめちゃんです。さっそく、お尻を確認させていただくと、毛がない部分があり皮膚が欠損しておりました。

左の肛門腺が破裂してしまっていました。

肛門腺とは、肛門の左右(時計で例えると4時、8時の位置)にある1対の袋状の構造物を肛門嚢(腺)といいます。
この中に分泌物(液状、ペースト状)が入っており、肛門腺液などと呼ばれております。
本来、便とともに排出することも多いのですが、排出せずたまり続けた結果、破裂してしまったと思われます。
出血を伴ったり、気にして舐め続けてしまうことが多くかなりのストレスになります。
患部に残ってる肛門腺を除去し洗浄、消毒をした後、患部保護のクリームを塗りました。
投薬ストレスをなくすため、2次感染予防の抗生剤は長期作用する注射で対応しました。
自宅では患部を舐めないようにするためにエリザベスカラーの装着を指示しました。

2週間後の再診では皮膚はすっかり良くなってくれました。

猫さんの皮膚の再生能力の高さにはいつも驚かされます。
エリザベスカラーはストレスにはなったと思いますが、2週間頑張ってくれて本当に良かったです。
今後の再発の予防には、定期的な肛門腺絞りが必要となります。
猫さんでお尻を気にしていたら、この病気になっていることがありますので、その時はすぐ動物病院に行ってくださいね。